モントリオールでの最終日は、「頸椎の調整」でした。今回は一日間での授業でしたので、後頭骨と、第1・第2頸椎の関係性に焦点を当ててありました。
過去に交通事故に遭ったり、スノーボード等で転倒していたり、あるいは悪い姿勢を続けることによって、上部頸椎と後頭骨はズレることがありまります。
症状が出ない方おられますが、ズレたまま生活を続けると、左右の首の周りの筋の緊張のアンバランスによって、頭痛や肩こり、耳鳴り、歯痛などの様々な症状が現れてくることがあります。
もちろん、時間をかけて症状が出ている場合は、筋肉だけではなく、頭の中の硬膜(こうまく)や血管や脳脊髄液の循環にも問題があることがあります。
そういう問題に対して、施術によって時間をかけながら組織のリリース(筋膜リリースの応用したやり方)を行うことも出来ますが、ドゥリュエル先生はいつも1,2秒で調整をされます。しかも、頸椎の問題だけではなく、周囲の組織に対しても❝時間差で起こる変化❞をもたらすように働きかけをされます。
カイロプラクティックでは、骨に対して調整をする❝スラスト❞と呼ばれています。それに対して、オステオパシーでは、筋肉や皮膚や靱帯などの軟部組織に対して行う調整をする❝インパルス❞と呼ばれています。特に、ドゥリュエル先生の場合は、その後の生理学的な変化が大きいことから❝エナジェティック・インパルス❞と呼ばれています。
かの有名なヴィオラ・フライマン先生も、ご自身が頸椎の調整されるのを好まれなかったそうですが、唯一、ドゥリュエル先生の頸椎の調整だけは受け入れられていたそうです。
それくらい奥の深い技術なのですが、今回は、ご自身の愛馬に対してもそれを行われました。犬や猫に対して施術するという話はよくあるのですが、大きな馬の頸椎を調整されるとは驚きでした。
第1頸椎に問題があったということでした。残念ながら、何処がどういう風に変化したのかは、一見しただけでは解りませんでした。
検査時に尻尾を引っ張ったり、首を指示通りに動かしてもらう必要があるなど、相手(馬)との信頼関係があってこそ出来る施術なのでした。
ドゥリュエル先生の厩舎にて撮影
(撮影日2018年6月4日)