11月21日~25日まで、フィリップ・ドゥリュエル先生による「慢性的な激しい痛みに対するオステオパシー治療」というセミナーを受講してきました。
セミナーの主な焦点は、背骨と内臓と自律神経の相互関係についてでした。
オステオパシーでは「体の構造と機能との関係性」を重視しますので、体の構造を正しい位置に調整し、体の生理機能に働きかけます。
背骨に沿って走行している自律神経が臓器への血流調節を担っており、例えば背骨に歪みや圧縮などの問題があると近くの自律神経(交感神経節)に影響が及んでしまい、臓器への血流が低下して臓器の機能低下につながっていきます。
それを改善する為には、まず問題のある背骨を元の状態に戻して、交感神経節に働きかけて臓器への血流を改善した後に、臓器の細胞が活性化する様な施術を行う方が効果的だという事です。
ドゥリュエル先生のセミナーを受講するのは10回目になります。継続してセミナーを受講し続けるのには理由があります。
セミナーの中に、オステオパシーの伝統の中で密かに受け継がれてきた「特別なもの」が含まれているからです。
オステオパシーは単なる自然医学ではなく、“生命と如何に向き合うべきか”という哲学でもあります。
オステオパシー界の先人達は“生命に対する洞察”を深め、“手から手へ”とその業績を遺されてきました。それは情報の伝達だけで継承される質のものではないため、一朝一夕に伝承されるものではありません。
ドゥリュエル先生のオステオパシーの神髄は、「その人の人生の選択(未来)」に働きかけることにあると思います。もちろん体の構造への働きかけも一流なのですが、施術後に時間を経ながら起こる変化に驚かされます。
行動が変わることもありますし、心に平穏が訪れ他者に優しくなったりします。
私の長男が施術後に文章を書けるようになった事は前回のブログで述べております。
スティルネス(静寂)という意識状態でのオステオパシー